はじめに
就労継続支援の運営で重要なことはスコアを向上させ基本報酬を上げることです。就労継続支援A型の基本報酬単位はスコア表の(I)から(V)の合計点で決まり、本記事では「支援力向上 スタッフ(従業者)側の支援力」について解説します。
目次
- スコア表における支援力向上とは
- 点数
- まとめ
1. スコア表における支援力向上とは
就労継続支援A型では、利用者の支援にあたる職員のキャリアアップが大切です。職員が意欲的に業務に取り組むことが出来るようキャリアップの機会を提供することにより、職員のスキルアップに繋がり、利用者に質の高いサービスを提供することが可能となります。下記項目の取り組みを行う事業者に対して加点されます。
支援力向上の取組みには下記の通り8項目あります。
①研修計画に基づいた外部研修会又は内部研修会。(対象者:生活支援員、職業指導員、サビ菅、賃金向上達成指導員が対象。管理者は対象外)障害者就労・障害福祉・賃金向上に関しての研修のみが対象となるので、研修の選定に注意をしましょう。対象の研修なのか判断できない際は、自治体に確認をしましょう。
②研修、学会等又は学会誌等において発表 研修:地方自治体、就労支援機関が実施する障害者雇用や障害者福祉に関連する研修やセミナーに講演者や報告者として登壇する。研修の参加人数等の制限はありません。
学会:障害者雇用や障害者福祉に関連する議題の学会(又は研究会その他の公開発表する場)において発表する。学会等は30名以上の規模が必要です。
学会誌等:障害者雇用や障害者福祉に関連する学会誌(又は学術誌、団体広報誌その他刊行物)において研究論文・実践報告等を寄稿して、刊行物に掲載されること。
③視察、実習の実施又は受入れ 就労継続真A型の職員が、先進的事業者へ視察・実習をすること。もしくは、他の就労継続支援A型事業所から視察・実習を受け入れたときに加点対象となります。
先進的事業者とは 1.利用者へ高賃金を支給している事業所 2.スコアの合計点が170点以上の事業所 3.障碍者雇用を進めるための取り組みを実施していて、法定雇用率を相当程度上回る障害者雇用率をを達成している事業所 4.「もにす認定」を受けている中小事業主
④販路拡大の商談会等の参加 生産活動収入を増やすために商談会等へ1回以上参加している場合に加点されます。
1.自ら生産した商品等の販路開拓のため、ビジネスマッチングを目的とした展示会への出展 2.自ら生産した商品等の販路開拓のため、地域の企業等への事業内容の説明、情報交換の実施 3.新たな生産活動の導入や事業拡大を目的として、自治体や地域の商工会、商工会議所等が実施する企業間の情報交換、商談会への参加
⑤職員の人事評価制度 人事評価制度ががあり、客観的な評価基準や昇給条件が就業規則等で明文化されているとともに、全ての職員に対して周知され、前年度に人事評価制度が運用されている場合に加点対象となります。
⑥ピアサポーターの配置 就労継続支援A型事業所の職員としてピアサポーターを配置している場合に加点対象となります。条件が2つあり、障害者ピアサポート研修(基礎研修・専門研修)を修了し、修了証の交付を受けている事が条件となります。もう一つは、ピアサポーターの職種はサービス管理責任者・職業指導員・生活支援員・利用者以外の者であって利用者と一緒に就労活動や生産活動に参加する事が必要です。
⑦第三者評価 就労継続支援A型の事業所が、適切な機関からルールに従い第三者評価を受け、その結果を公表している場合にスコアの加点対象となります。
⑧国際標準化規格が定めた規格等の認証 就労継続支援A型の事業所が、国際標準化機構が定めた規格(その他これに準ずるものとして都道府県知事が認める規格)に適合している旨の認証を受けている場合にスコアのポイントが上がります。
2.点数
1項目実施で1点の基準点を獲得できます。
合計得点が5点以上の場合は15点のスコア点を獲得。 合計得点が3点又は4点の場合は5点のスコア点を獲得。 合計得点が2点以下の場合は0点のスコア点となります。
※令和6年度の報酬改定で支援力向上の最高得点が35点から15点に変更となりました。
多くの事業所は①~⑤で加点しています。⑥~⑧は時間やコスト等がかかるので、より計画的に実行する必要があるでしょう。
まとめ
利用者やご家族の方に満足していただくサービスを提供するためには、職員のレベル向上が不可欠です。受講した研修等を如何に現場で活用するかが重要です。集客に関しても、職員のレベルが向上することにより、他の事業所と差別化が図れるでしょう。
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