施設外就労と施設外支援の違いを徹底解説

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はじめに

こちらの記事は就労移行支援、就労継続支援A型・B型を想定して作成してます。

障害のある方の就労支援には「施設外就労」と「施設外支援」という2つの重要な支援形態がありますが、これらの違いを正確に理解している方は少ないかもしれません。この記事では、初心者の方にもわかりやすい形で「施設外就労」と「施設外支援」について解説します。また、就労継続支援A型・B型、就労移行支援との関連性も踏まえながら、両者のメリットやデメリットについてもお伝えします。

施設外就労とは?

施設外就労の基本概念

施設外就労とは、障害者就労支援事業所である「就労継続支援A型」や「就労継続支援B型」に通う利用者が、事業所外の企業で直接働き、業務を遂行する形態です。具体的には、事業所と企業との間で請負契約が結ばれ、利用者が企業の仕事を事業所外の現場で行う形となります。利用者は、事業所に所属しながらも、企業の業務を手がけることで、一般企業での就労に近い経験が積めるのが特徴です。

施設外就労の具体例

例えば、A型事業所が近隣の清掃会社と契約し、ビル清掃やメンテナンスの仕事を行うケースがあります。利用者はチームで移動し、清掃作業を担当し、就労先はマンションや企業の施設内等です。このように、施設外就労では、実際の企業現場での業務経験を積むことで、利用者が働くことへの自信や技術を養う場となります。

施設外就労の要件

①施設外就労の総数については、利用定員を超えないこと。
※サービス管理責任者と管理者は施設外就労先の職員として従事できません。仮に事業所内の仕事が無く、施設外就労の仕事しかない場合であっても、原則的にサービス管理責任者及び管理者は施設外就労の職員として配置することは出来ません。
※利用定員20名以下の事業所は20名までの施設外就労が可能です。21名以上はアウトです。

②報酬算定上必要とされる人数の職員を配置すること
施設外就労については、施設外就労を行う「日」の利用者数に対して報酬算定上必要とされる人数(常勤換算方法による。)の職員を配置すること。
事業所については、施設外就労を行う者を除いた「前年度の平均利用者数」に対して報酬算定上必要とされる人数(常勤換算方法による。)の職員を配置すること。
サービス管理責任者については、施設外就労を行う者の個別支援計画の作成に係る業務も担うことから、施設外就労を行う者を含めた前年度の平均利用者数に対して配置すること。
※「報酬算定上必要とされる人数(常勤換算方法による。)の職員」には、賃金向上達成指導員や目標工賃達成指導員等は含まれません。
※施設外就労の利用者数が定員を超えた場合、その日の施設外就労に参加した利用者全員分の報酬を請求することは出来ません。
※人員配置7.5:1のA型事業所の場合、施設外就労に利用者が1人~7人の場合は生活指導員または職業指導員が1人必要です。8人~14人の場合は2名必要です。

③施設外就労の提供が、事業所の運営規程に位置づけられていること
施設外就労を行う障がい福祉サービス事業所の運営規程に施設外就労を行う旨の記載がされていることが必要です。

④施設外就労の提供が、利用者の個別支援計画に位置づけられていること
施設外就労に参加する利用者の個別支援計画に施設外就労のサービスを提供する旨の記載が必要です。
1. 利用者一人一人に対して、施設外就労を始める前に、 施設外就労の適性、実施した場合の効果や個別の目標を 丁寧に話し合い、個別支援計画に施設外就労の内容や目標等を 記載する。
2. 施設外就労についての達成度の評価を行う。 達成度の評価を行ったことがわかるように具体的に記録を残す。 (いつ、どこで、どの職員が、どのような話をしたか、 利用者からどのような話があったか等)
3. 就労先自体や業務内容、目標が変わった場合は、個別支援計画の 内容の見直しを行う。

⑤緊急時の対応ができること
施設外就労時に何か緊急の事態が発生した場合に、すぐに連絡がとれて対応できる体制を整備しておく必要があります。

⑥施設外就労先の企業とは、請負作業に関する契約(請負契約)を締結すること
施設外就労と認められるためには請負契約の締結が必要です。注意点としては、契約行 為は別人格でなければ締結できないため、同一法人間での請負契約を締結することはできません。よって、同一法人内で施設外就労を行うことはできません。

⑦請け負った作業についての利用者に対する必要な指導等は、施設外就労先の企業ではなく、事業所が行うこと
請け負った作業についての利用者に対する必要な指導等は、施設外就労先の企業ではなく、事業所が行うことになります。これを怠ると偽装請負となりますので注意が必要です。

⑧施設外就労について規則を設けること
施設外就労を行う場合には、施設外就労規則を定めておくことが必要です。

⑨事業所は、施設外就労に関する実績を、作成・保存すること
施設外就労を実施した場合には、施設外就労の実績記録書類を作成・保存することが義務付けられています。
施設外就労と認められるためには請負契約を締結しなければなりませんが、契約行為は別人格でなければ締結できません。そのため、同一法人間での請負契約を締結することはできませんので、同一法人内で施設外就労を行うことはできません。

重要

施設外就労は定員と同数の人数まで可能です。つまり、施設内で20人稼働・施設外で20人稼働すると定員が20人以下でも40人の運用が可能です。請負契約の単価にもよりますが、強気な請求交渉を企業と実施して利用者に支払う給与分を施設外就労で賄うことが出来れば、利益体質の事業所が構築できるでしょう。施設内の仕事は単価の安い案件が多いので、施設外就労の営業を強化しましょう。

施設外支援とは?

施設外支援の基本概念

施設外支援とは、施設外支援とは、企業での実習など、就労に向けた事業所外での活動に対する支援が該当します。事業所の中だけでできる支援には限りがあるため、要件を満たすことで事業所外での支援にも通常の利用と同じ報酬が認められます。

施設外支援は「就労移行支援」でもよく行われ、利用者が実習や見学などで企業に滞在する際に、事業所のスタッフがサポート役として随行する場合もあります。このようにして、利用者が就労体験を安全かつスムーズにできる環境を整えます。

施設外支援の要件

事業所外の企業等で実習を実施した場合、以下の1〜4を満たせば、1年間のうちに180日を限度に報酬を算定できます。

1:施設外支援を実施する旨を運営規程等に記載されている事。
2:1ヶ月ごとに施設外支援を含む個別支援計画を見直して、必要に応じて修正している事。
3:実習先か利用者からヒアリングをして日報が作成されている事。
4:緊急時の対応が可能な事。 5:事前に個別支援計画で施設外支援の内容を記載している事。

施設外支援のサービス提供回数上限

施設外支援で報酬を算定できるのは、1人につき年間180日までです。日数は4月1日~3月31日の期間でカウントします。ただし下記のケースでは180日を超えても報酬を算定できます。

●以下の要件を満たす職場適応訓練を受講するとき(訓練終了日まで算定可能)
その職場適応訓練が施設外支援の要件を満たしている
その職場適応訓練が本人の就労支援に効果があると認められる

●「障害者短時間トライアルコース」で就職し、個別支援計画の見直しにおいて、延長の必要性が認められたとき

施設外就労と施設外支援の違い

施設外就労と施設外支援には共通する面もありますが、役割と目的において明確な違いがあります。

項目 施設外就労 施設外支援
活動内容 事業所と企業間の請負契約で業務を行う 実習や訓練において事業所がサポートを提供
就労形態 企業現場で実際の仕事を行う 実習や訓練を通じたスキル習得
支援対象 主に就労継続支援A型・B型 主に就労移行支援
目的 実際の業務経験を積む 就労に必要なスキルや環境適応力の強化

施設外就労では、企業からの請負業務を通じて利用者が働きますが、施設外支援は企業の業務を直接担当するわけではなく、主に実習や見学を通じて就労への準備を整えることが主目的となります。

算定のための準備物(施設外就労・施設外支援)

施設外就労を算定されるための準備は下記となります。

①施設外就労の実施が明記されている運営規定(明記されていない場合は、修正したものを指定権者に変更届を提出)

②施設外就労を盛り込んだ個別支援計画の作成及び交付(施設外就労の前に作成・交付が必要です。また、記載されていない場合は個別支援計画を更新して交付します。)

③施設外就労の日報

④請負契約書

⑤賃貸借契約書等(業務に必要な機械や設備等を施設外就労先から借りる場合に必要)

施設外就労を算定されるための順は下記となります。

①施設外支援の実施が明記されている運営規定(明記されていない場合は、修正したものを指定権者に変更届を提出)

②施設外支援を盛り込んだ個別支援計画の作成及び交付(施設外就労の前に作成・交付が必要です。また、記載されていない場合は個別支援計画を更新して交付します。)

③施設外支援の日報

④必ずしも必要ではありませんが、実習の受入先との契約書等があると望ましいです。

まとめ

多くの事業所を見てきましたが、生産活動収入に課題を抱えている事業所が多いのが現実です。施設内で内職しかしていない(生産活動収入が低い)ケースや営業をする人材がいない、やり方が分からない等、理由は多岐に渡ります。しかし、現在は人材難の時代であり、工場などでは多くの外国人労働者が働いています。外国人労働者を1名採用する場合、人材派遣を利用する場合1時間当たり1,600円以上はするでしょう。受入れ企業先に、人材の確保や経費の圧縮、地域貢献等に繋がるメリットを説明して新規案件の獲得に努めましょう。

就労コンサル MATSUBARA
就労コンサル ishikawa

はじめまして。
コンサル担当のI.Nです。
私は大学を卒業してから約20年間、人材紹介・派遣業界に携わってきました。
新規営業からスタートして既存営業、責任者とステップを踏んできました。
一般の紹介会社や派遣会社にも何かしらの障害を持った方々から相談を受けてきました。
そんな時に当社代表の松原と出会い、転職を決意してコンサル部門を担当しております。
細かい行政ルールを覚えることも大切ですが(ここはコンサルに任せてください)
重要なことは、集客・生産活動収入(A・B)・利用者就職のバランスを考えて対応することです。
1つ欠けてしまうと売上も安定しません。
多くの事業所が少なからず課題を抱えているのが現実です。
我々にお任せいただければ、様々なご提案ができるかと思います。
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