はじめに
福祉専門職員配置等加算は、障害福祉サービスにおいて、質の高いサービスを提供するために適切な専門職員を配置している事業所に対して与えられる加算です。就労継続支援A型、B型、就労移行支援の事業所においても重要な役割を果たしており、職員の配置や資格の状況に応じて報酬が加算される仕組みとなっています。
この記事では、福祉専門職員配置等加算の概要、適用条件、報酬単価、そして就労支援サービスにおける具体的な運用方法について詳しく解説します。
福祉専門職員配置等加算とは?
加算の目的
福祉専門職員配置等加算は、社会福祉士や介護福祉士、精神保健福祉士、公認心理師などの専門的な資格を持つ職員が事業所に配置され、質の高い支援を提供している事業所を評価する加算です。この加算により、適切な職員配置が推奨され、サービスの質の向上が図られます。
対象となるサービスと資格の種類
資格の種類は下記と通りです。
社会福祉士
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介護福祉士
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精神保健福祉士
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公認心理師
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作業療法士(就労移行、A型、B型のみ)
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福祉専門職員配置等加算は、以下の事業で適用されます。
- 就労継続支援A型
- 就労継続支援B型
- 就労移行支援
- 児童発達支援
- 生活介護 など、広範囲にわたる福祉サービス事業所が対象です。
福祉専門職員配置等加算の類型と要件
福祉専門職員配置等加算は、職員の資格や勤務状況に応じて3つの類型に分かれています。それぞれの要件に基づき、加算を受けることが可能です。
福祉専門職員配置等加算(Ⅰ) 15単位×当月の延べ利用者数×10円(地域係数)
加算(Ⅰ)は、常勤の生活支援員、職業指導員の中に社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、公認心理師、作業療法士(就労系のみ)などの資格を有している場合に適用されます。35%以上いる場合はⅠに該当します。加算Ⅱは25%以上となります。この加算により、質の高い専門的支援が評価され、1日につき15単位が加算されます。
福祉専門職員配置等加算(Ⅱ) 10単位×当月の延べ利用者数×10円(地域係数)
加算(Ⅱ)は、常勤職員の25%以上が上記の資格を保有している場合に適用され、1日につき10単位が加算されます。
福祉専門職員配置等加算(Ⅲ) 6単位×当月の延べ利用者数×10円(地域係数)
加算(Ⅲ)は、常勤職員の75%以上が直接支援に携わっているか、3年以上勤続している常勤職員が全体の30%以上である場合に適用されます。この加算は、1日につき6単位となります。
※福祉専門職員配置等加算Ⅰ・Ⅱのどちらかを算定している場合はこの加算は算定できません。
常勤の直接処遇職員は下記が該当となり、サービスの種別により異なります。
就労移行支援 |
職業指導員、生活支援員、就労支援員
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A型 |
職業指導員、生活支援員
|
B型 |
職業指導員、生活支援員
|
※賃金向上達成指導員(A型)と目標工賃達成指導員(B型)は対象外となります。
福祉専門職員配置等加算のメリットと注意点
メリット
福祉専門職員配置等加算を取得することで、事業所は以下のようなメリットを享受できます。
- 専門職員を多く配置することで、質の高い支援を提供できる。
- 加算により、事業所の収益が向上し、より多くの利用者を支援できる体制を整えられる。
- 職員の処遇改善加算の取得にもつながり、職員のモチベーション向上や求人の際の条件改善に寄与する。
注意点
加算を適用するには、常勤職員の割合や資格保有者の割合を正確に把握し、適切に申請する必要があります。自治体ごとに異なる運用があるため、申請時には詳細な確認が必要です。また、職員の異動や退職によって要件が満たせなくなる場合、速やかに対応することが求められます。
まとめ
福祉専門職員配置等加算は、事業所が質の高い福祉サービスを提供するために、適切な専門職員を配置することを促進する加算です。就労継続支援A型・B型、就労移行支援事業所において、この加算を適用することで、サービスの質を向上させると同時に、事業所の収益を増やし、職員の処遇改善を図ることができます。
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