【就労継続支援A型の人員配置基準とは?】初心者向け解説と関連支援のポイント

就労継続支援 運営支援
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はじめに

就労継続支援A型事業所では、利用者が働きやすい環境を提供するために人員配置基準が設けられています。この記事では、就労継続支援A型に必要なサービス管理責任者・管理者・生活支援員・職業指導員の必要人数や要件をお伝えします。

なぜ人員配置基準が必要なのか?

人員配置基準は、利用者が安全で安心できる環境を確保するための重要な指標です。 障害を持つ方の支援では、利用者ごとに異なるサポートが必要であり、過不足のない支援体制が求められます。また、一般企業への社会復帰を目指す利用者に対してスキルアップの機会を提供する上で、サービスの質を担保するために人員配置基準が設定されております。人員配置基準を適正に保つことにより、施設内のサポートが平等に行き渡り、利用者が安心して作業や生活訓練に取り組む環境が整います。

人員配置基準を満たしていない場合は、新規開業はできません。開業後は、この基準のクリアを継続する必要があり、基準を違反すると報酬の減額や報酬返還、場合によっては指定取消等の行政指導の対象となりえます。

就労継続支援A型を運営するための必要人員

A型事業所では、障害を持つ利用者が実際の雇用契約に従って働くため、職場環境の整備が重要です。そのため、以下のような基準が求められます。

  • サービス管理責任者:利用者の就労環境を管理し、個別支援計画の作成等があります。
  • 管理者:事業所運営の責任者です。
  • 職業指導員:利用者に対して具体的な作業指導を行います。利用者の能力や適性に応じてスキルの習得の機会の提供や助言を行います。
  • 生活支援員:作業以外の生活面のサポートを行います。就労だけでなく、生活習慣やコミュニケーション能力の向上を目指したサポートが含まれます。

常勤換算とは

医療や介護の質を保つために、国は事業所規模やサービス内容に応じた人員配置基準を定めています。しかし、実際の現場の事業所では正社員やパートの方などが就業しており、それぞれ労働時間が異なります。労働時間が少ない従業員を同じ1名で換算すると、基準を下回ることになりますので注意が必要です。

常勤とは事業所の週の所定労働時間と同じ時間を働くことを指します。常勤より時間数が少ない場合は非常勤と言います。

常勤換算は職員の労働時間(雇用契約で定めたもの)を事業所の所定労働時間(就業規則等で定めたもの)で割る計算方法です。

週の所定労働時間が8時間で週5日の場合は40時間となり、これが常勤となります。週20時間のパートを採用した場合は、20時間÷40時間で0.5人となります。

就労継続支援A型では職業指導員と生活支援員の人数を常勤換算方法で算出します。

管理者の役割・要件・必要人数

管理者とは、事業所の責任者です。

主な業務としては、従業員管理や数値管理(経営管理)です。指揮命令権者にあたるポジションとなります。

必要な人数は、事業所に1名です。業務に支障がなければ他の職種との兼務が可能です。サービス管理責任者との兼務も認められています。

管理者になるための要件は下記のいずれかを満たす必要があります。

①社会福祉主事任用資格を所持している方                                        ②社会福祉事業に2年以上従事した経験がある方                                      ③社会福祉施設長認定講習会を修了している方                                      ④会社経営の経験がある方

サービス管理責任者の役割・人数・要件

サービス管理責任者の主な役割は                                          ①個別支援計画書作成業務                                             ②支援状況のモニタリング・管理                                           ③関係機関との連携                                                  ④従業員教育や人材育成                                                              ⑤相談業務

サービス管理責任者の必要な人数は、                                         ①前年度の平均利用者が60人以下の場合→1人以上(少なくとも1人は常勤)                       ②前年度の平均利用者が61人以上の場合→常勤の1人に加え、61人目以降の利用者と40:1以上になるようにサービス管理責任者を配置する必要があります。

サービス管理責任者になるための要件

①実務経験(3年~8年)。期間は保有資格や経験内容によって変わります。                        ②相談支援従事者初任者講習受講                                                ③サービス管理責任者等基礎研修の受講                                            ④サービス管理責任者等実践研修の受講                                          ⑤サービス管理責任者等更新研修の受講(5年ごと)

職業指導員と生活支援員の人数・要件                          

職業指導員と生活支援員の常勤換算上の合計人数が、前年度の平均利用者数を7.5(もしくは10)で割った数以上となるように配置します。職業指導員と生活支援員はどちらの職種も配置が必要です。そのうち、1人以上は常勤で配置しなければなりません。

ケーススタディで確認!!

定員 20人
前年度の平均利用人数 15人
週の所定労働時間 40時間
職業指導員と生活支援員の配置 7:5

管理者:1名(兼務可能)

サービス管理責任者:1名

職業指導員と生活支援員:15人÷7.5=2                                           常勤換算で2名以上の人数が必要で、どちらの職種も配置することになります。また、少なくとも1名は常勤での配置となります。

※指定権者によっては、前年の実績ではなく現時点の平均利用人数で人員配置が必要。これは、前年の平均利用者が少なくて現時点との差が大きい際に指摘を受ける可能性があります。きめ細かいサービスの提供が困難であろうとの判断です。

まとめ

就労継続支援A型の人員配置基準は、利用者が安全で快適に作業や生活訓練を楽しむための重要な指針です。正しい体制を確保するために、配置基準を考える、実践していくことが支援事業者にとっての責務です。この記事を参考に、人員配置基準をの意義と効果をぜひご理解いただき、支援の現場で少しでもいただければ幸いです。

就労コンサル MATSUBARA
就労コンサル ishikawa

はじめまして。
コンサル担当のI.Nです。
私は大学を卒業してから約20年間、人材紹介・派遣業界に携わってきました。
新規営業からスタートして既存営業、責任者とステップを踏んできました。
一般の紹介会社や派遣会社にも何かしらの障害を持った方々から相談を受けてきました。
そんな時に当社代表の松原と出会い、転職を決意してコンサル部門を担当しております。
細かい行政ルールを覚えることも大切ですが(ここはコンサルに任せてください)
重要なことは、集客・生産活動収入(A・B)・利用者就職のバランスを考えて対応することです。
1つ欠けてしまうと売上も安定しません。
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