はじめに
障害福祉サービスの体験利用支援加算は、自社の事業所に体験で来てもらった際に受け取れる加算ではありません!!結論からお伝えすると、通常の就労移行支援・就労継続支援A型及びB型はこの加算は算定できません。
障害福祉サービスの体験利用支援加算の概要
障害福祉サービスの体験利用支援加算は、体験利用を受け入れた事業所でなく、体験利用する利用者が利用中の事業所が算定可能な加算です。指定障害者支援施設である就労移行支援・就労継続支援A型及びB型事業所の利用者が、地域移行支援を通じて他の障害福祉サービスを体験利用した際に、その体験利用に関する支援の加算で15日以内に限って算定可能です。
※地域移行支援を利用しないとこの加算は算定できません。
算定要件
共通の算定要件
体験的な利用支援の利用日において、昼間の時間帯における介護等の支援を行った場合、または体験的な利用支援に係る指定一般相談支援事業者との連絡調整その他の相談援助を行った場合に、加算の対象となります。これらの支援の状況や内容を記録することも必要です。
サービス別の算定要件
就労継続支援A型・B型、就労移行支援、生活介護、自立訓練(機能訓練・生活訓練)の場合
体験利用支援加算(Ⅰ):体験的な利用支援の利用を開始した日から起算して5日以内の期間について算定する場合は、体験利用支援加算(Ⅰ)として500単位が加算されます。
体験利用支援加算(Ⅱ):6日以上15日以内の期間について算定する場合は、体験利用支援加算(Ⅱ)として250単位が加算されます。
療養介護の場合
体験的な利用支援の利用日において、昼間の時間帯における介護等の支援を行った場合、または体験的な利用支援に係る指定一般相談支援事業者との連絡調整その他の相談援助を行った場合に、300単位が加算されます。
報酬単価
障害福祉サービスの体験利用支援加算の報酬単価は、サービス種別や体験利用の日数に応じて異なります。以下に主な単価を示します:
- 就労継続支援A型・B型、就労移行支援:
- 体験利用支援加算(Ⅰ):500単位/日
- 体験利用支援加算(Ⅱ):250単位/日
- 療養介護:
- 300単位/日
また、事業所が市町村により地域生活支援拠点等として位置づけられ、市町村や関係機関との連携担当者を1人以上配置していると、1日につき所定単位数にさらに50単位が加算されます。
具体的な運用方法
支援内容の記録
体験利用支援加算を算定するためには、利用者が他のサービスを体験利用した際の支援内容や連絡調整の状況を詳細に記録することが求められます。これにより、適切な支援が行われたことを証明し、加算の算定根拠とします。
他事業所との連携
利用者が他のサービスを体験利用する際には、体験先の事業所や指定地域移行支援事業者との連携が重要です。事前の情報共有や連絡調整を行い、利用者が安心して体験利用できる環境を整えることが求められます。
利用者への説明と同意
体験利用を行う際には、利用者に対して体験利用の目的や内容、支援体制について十分に説明し、同意を得ることが必要です。これにより、利用者が安心して新たなサービスを体験できるようになります。
注意点(良くある間違い)
- 自事業所の体験利用ではない:障害福祉サービスの体験利用支援加算は、自事業所の利用者が他の障害福祉サービスを体験利用した場合に算定される加算です。自事業所への体験利用者に対しては適用されません。例えば、就労継続支援A型事業者が雇用契約締結前に実施する体験利用を3日間した場合等は算定できません。勘違いをされている事業者が多いので、「訓練等給付費等明細書」を確認して「サービス内容」という欄に「障害福祉サービス体験利用支援加算」が記載されていた場合は、この加算の要件に該当しているか再確認をお願いします。
- 過大請求の防止:加算の算定要件を正確に理解し、適切な支援を行った場合にのみ算定することが重要です。不適切な算定は過大請求とみなされる可能性があります。
まとめ
障害福祉サービスの体験利用支援加算は、利用者が新たなサービスを体験的に利用する際に、現在利用している事業所が適切な支援を提供することで算定される加算です。就労継続支援A型・B型、就労移行支援の事業所においては、利用者が他のサービスを体験する際の支援体制を整え、適切な連携や記録を行う必要があります。体験利用が来た場合には、日時等を定めてその利用者に自社に来ていただけるよう契約を取り付けましょう。
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